エクセルでよく使う関数のまとめ。 日付の間隔を計算するYearfrac関数の挙動について。計算方法のおすすめオプションについても紹介。
指定した日付の間隔を計算:Yearfrac関数
Yearfrac関数は、引数として指定した二つの日付の間隔を年単位の数字として返す関数です。必須の引数は、間隔を知りたい二つの日付です。計算方式は0~4の数字で指定します。何も指定しなければ0(米国方式, 30/360)が選択されたものとして計算されます。計算方式による結果の違いは次項目で詳しく見ていきます。
書式
= Yearfrac([開始日付], [終了日付], [計算方式(任意)])
計算方式による違い
金融業界にいる人、特に債券取引の実務に関わる人にとって、日数計算の方式はごく当然の知識として知っておかなくてはいけないものですが、そうでない人にとっては良くわからないともいます。Yearfrac関数では計算方式をオプションで選ぶことができるので、オプションによって計算結果がどのように変わるのか見てみましょう。
まずはオプションの種類です。0~4で指定する計算方式は下記にそれぞれ対応します。
計算方式 | オプション番号 |
30/360(米国方式) | 0 |
Act/Act(実日数/実日数) | 1 |
Act/360(実日数/360) | 2 |
Act/365(実日数/365) | 3 |
30/360(ヨーロッパ方式) | 4 |
スラッシュの左側は各月の日数をどのように考えるかです。Actだと実際の日数(28、29、30、31と変化)で考えるのに対し、30は月によらず常に30日と考える方式です。
スラッシュの右側は一年間の日数をどのように考えるかです。Actは同様に実日数(365、366と変化)で考えるのに対し、360は常に年間は360日と考えます。
ここでは計算方法について細かくは述べません。それぞれ、債券取引やスワップ取引などで慣習的に使われている方式ですので、これらに関わる際には迷わず指定された方法で計算すればOKです。では、そのような取引に関係のない場合はどれを使うのが良いのでしょうか。計算方法が直感に一番近いのは1のAct/Actですが、個人的には4の30/360(ヨーロッパ方式)をお勧めします。
なぜ、4をお勧めするかというと、計算方法ではなく計算結果が一番直感に近いものになりやすいからです。わかりにくいと思うので例を見てみましょう。
2019年2月28日から2020年2月28日までの年数を計算するとします。直感的に考えると、この二時点間の年数は1年ですが、2020年はうるう年なので、Yearfracによる計算結果はオプションによって異なります。実際の計算結果を見てましょう。次のようになります。
2019年2月28日から2020年2月28日までの年数
計算方式 | オプション番号 | 計算結果 |
30/360(米国方式) | 0 | 0.9944 |
Act/Act(実日数/実日数) | 1 | 1.0027 |
Act/360(実日数/360) | 2 | 1.0167 |
Act/365(実日数/365) | 3 | 1.0027 |
30/360(ヨーロッパ方式) | 4 | 1.0000 |
どうですか?マニアックに感じるかもしれませんが計算結果が最大で1%ぐらい異なります。普段はあまり意識することはないかもしれませんが、日付間の年数計算をする際にはちょっと思い出してみてもよいかもしれません。