【令和の資産運用】潜在成長率は1%の日本に資産を置いておいて良いのか?

投資

国内景気に黄信号 世界のエコノミストに悲観論(日本経済新聞)

本質的なのは「潜在成長率」の違いだ。循環的な要因を除いた経済の「地力」を意味し、人口動態や技術革新で左右される。米国やドイツは年2%弱とされるのに対し、日本は1%程度と内閣府は推計する。経済の地力が弱いので、外需の追い風がやむと簡単に景気が悪化してしまう構図だ。

中国の経済対策が効果をあげ、日本の「景気悪化」が杞憂(きゆう)に終わる可能性はもちろんある。その一方で、金融政策だけでなく、政府債務が積み上がって財政政策も自由度は落ちている。雇用関連の規制緩和や社会保障改革なども含め、これまでとは異なる踏み込んだ経済活性化策が求められている。

(引用ここまで)

日本経済新聞 2019/05/19

すでに周知の事実化もしれませんが、日本の潜在成長率について触れられている記事があったので取り上げておきます。経済の本質的な力強さを示す「潜在成長率」が他国と比べて見劣りするという話。米国やドイツは2%であるのに対し、日本のそれは1%。これは海外の機関が試算したものではなく、内閣府の推計です。考えすぎかもしれませんが、ちょっと楽観的な数字としてみておいてもよいかもしれません。

だとすると、本当の日本の潜在成長率は0~1%なのでは?という結論に至ってしまします。由々しき事態です。まあ、今に始まったことではありませんが。

では、このような成長率の低い国ではどのようなことが起こるのでしょうか。

国内企業は、市場としての日本から徐々に軸足を海外へ移していくはずです。その過程では、海外で事業を行うための資金つまり外貨(特に米ドル)が必要になると思われます。つまり、日本円から米ドルへの転換需要が生じるはずです。逆に、これまでは海外の事業で得た外貨ベースの利益を円に戻していたのが、そのまま海外で事業を行うための資金としてそのままにしておくケースも増えてくるのではないかと思います。円の需要がなくなるので円安要因になります。

海外企業は、そもそも日本から撤退。新規の進出もどんどん減っていくことでしょう。海外企業が日本で事業を行うためには円が必要です。日本国内で事業を行うための円資金のニーズがなくなるので、これも円安要因になりえます。

人口減少による消費の低迷でデフレ傾向が続くことが予想されますが、円資金へのニーズは落ちていく。どちらの影響が強いかどうかはわかりませんが、経済理論のセオリー通りに円高が進んでいくとは考えにくいと個人的には思っています。

やはり、円高を期待して国内に資産をとどめておくよりも、海外に資産を移して”海外の”インフレに備えておくことの方が大切なように思います(詳細はこちら)。