共同通信の記事が相反する調査結果を提示していたのでメモ程度に書いておきます。
日本の10~20代は内向き 留学や海外生活望まず(共同通信)
日本の10~20代は他国と比べて内向き―。内閣府が日本、米国、韓国など7カ国の若者に対し、留学や外国での生活に関する意識を尋ねた調査でこんな実態が浮かんだ。
日本は、短期を含む留学希望は32.3%、外国に住みたい人は19.4%でいずれの割合も最も低かった。留学をしたいかどうかを聞いても「思わない」の回答が53.2%、「分からない」が14.5%だった。(引用ここまで)
共同通信 2019/5/31
共同通信の記事は簡潔で短いので、部分引用でもほぼ転載のような感じになってしまいます。個人的には簡潔な書き方に好感を持っていますが、読者は事実だけではなく意見も求めているのではという気がするので報道機関の戦略としてこれでよいのかは疑問に思ったりもします。
それはさておき、5月末の記事では日本の若者は海外志向ではないという調査結果が報じられていました。日本に対する危機意識がまだ少ないというのは私の実感とも合っていたので、特段何も思いませんでしたが、直近で次のような調査が報じられました。
海外生活に興味は50%超 17~19歳の意識調査(共同通信)
日本財団(東京)が「海外と日本」をテーマに17~19歳の男女千人に対して意識調査をした結果、「海外での生活に興味がある」と答えたのは、52.8%に上ることが8日、分かった。
(中略)
海外での生活に興味がある理由は「行ってみたい国、地域、場所があるから」が最も多く、「海外の文化が好き、関心があるから」「なんとなく憧れるから、楽しそうだから」が続いた。
(引用ここまで)
共同通信 2019/6/7
表面的な数字だけ見ると真逆な内容に見えます。一方は内向き。他方は外向き。考えられる要因としては、対象が17~19歳なのと10代~20代である点。それと、興味があるのか留学や移住なのかというところでしょうか。
興味があるが50%を超えたという記事についてはおそらく「海外旅行に興味がある」程度の理由で興味があると答えている感じで、一方の「日本人は内向きだ」としている方の記事は本格的な留学や移住の意思を問うているので低く出ているという感じでしょうか。
この数字を見ると、一部のエリート層を除いては引き続き日本国内にロックされた状態の社会が続いていきそうですね。経済的なパイが縮小する中でも海外に出られない労働者がそれなりに残るのであれば、「経済縮小⇒賃金低下⇒とりあえず企業は存続」のスパイラルが続くのではないかと予想されます。やはり、この国がデフレを脱却して通常の経済状況に戻るにはまだまだ数十年単位で時間がかかる気がします。