食の革命は「レシピデータ」から ニチレイ100億円超の事業構想(日経クロストレンド)
近未来の食の革命「イノベー食」において、テクノロジーを使って家庭の食卓を豊かにする取り組み「スマートクッキング」も急速に進化しているジャンルの1つだ。その核となるのが、膨大なレシピデータの活用。調理家電と連携して調理をラクにしたり、個々人の嗜好に合わせたレシピを的確にレコメンドしたりと、新サービスの開発が急ピッチで進められている。
日経クロストレンド
その好例が、レシピ検索大手のクックパッドが取り組む「OiCy(オイシー)」だ。これは、クックパッドに投稿されたレシピをネット接続されたIoTキッチン家電が読み取り可能な形式(MRR: Machine Readable Recipe)に変換し、レシピ内容に合わせて機器を自動制御できるようにするデータプラットフォーム。例えば、クックパッドが試作した調味料サーバー「OiCy Taste」は、しょうゆやみりん、料理酒、酢の調味料ボトルを収納しており、連動するスマホアプリからレシピを選択するだけで、「大さじ2杯」「小さじ1杯」など必要な分量をカップに自動で出せる。料理の途中で調味料を取り出したり、煩わしい計量の手間を減らしたりするためのアイデアだ。
リンク先は有料記事です。レシピなど食に関わるデータをビジネスにつなげようという試み。引用ではクックパッドの話だけですが、ほかにもタイトルにあるようにニチレイなどのケースが取り上げられています。
クックパッドは私も料理をする際によく使いますが(無料会員ですが)、レシピデータってしっかりしている人とそうでない人とで全然違うんですよね。例えばきちんと「醤油:大さじ2」とかって書いている人もいれば「醤油:味を見ながら調整」とか書いちゃう人もいる。この辺をどのように自動で調整するのか気になりますね。たぶん初めはレシピがしっかりしたものだけに対応するのでしょう。
日本の大手企業はデータ活用に関する感度がまだまだ低いと個人的に感じます。自分も組織に属していてよく思うのが、「このデータってこんな風に使えますよね?」って提案しても「いや、こういう場合だとデータの形が崩れてるから使えないよ」みたいな感じで現状の問題を挙げて否定されることが良くあります。
否定している人が言っているのは事実なんですよね。確かに現在のデータは完全じゃない。でも、完全なデータを集めるのってすごくコストがかかるので、そんなことお試しの段階ではやってられないわけです。だから、不完全でも走りだした方が良いと個人的には思うのですが、それがなかなか理解してもらえない。
不完全でもデータを使って何かをやり始めるということが大事だと思っています。不完全でもデータを使おうという人が増えれば、そのカルチャーが広がっていく。それを続ければ、みんながいろんなデータを集めようという気になるし、活用方法も考えるようになる。もっと言えば、不完全なデータをどいうやったら完全な形に持っていけるか、データを作る段階から問題意識を持つことができるようになる。現在は問題山積でも、今後のトレンドとしてデータ活用は避けられないのであれば、徐々にでも始めなければならないと思います。
その意味で、今回のクックパッドの取り組みは素晴らしいものだと思います。初めに、クックパッドのレシピってしっかりしていないものも多いと書きましたが、今回のようなレシピの活用が軌道に乗れば、いずれデータとして不完全なものを公開しているレシピの順位を下げるようなこともクックパッドはできるようになるわけです。このようにすれば、自然とユーザーがレシピを機械が読み取れるように書くようになるはずなので、徐々にIoTを意識したデータがそろうようになってくる。このようなデータのフォーマットが自然にそろうような方向に、今後すべてのビジネスはデザインされていく必要がある。それができない企業は徐々に淘汰されていくと個人的には思っています。