【令和の資産運用】買うなら不動産は都心一等地にしろ! | あじゅWeb

【令和の資産運用】買うなら不動産は都心一等地にしろ!

投資

※この記事は筆者の個人的な見解を述べたものであり、実際の投資のリターンを約束するものではありません。あくまで投資はご自身の判断に基づいて自己責任で行ってください。

以前の投稿で「人口減少を主軸とした資産運用の考え方」はすでに述べている。こちらをご覧いただいた方は、筆者が人口減少によるデフレ論者であることは理解していただいていると思う。経済を少しでも学んだことのある人であれば、デフレ論者の時点で不動産の購入を勧めるわけがないことはわかるとは思うが、子供を持つことを考えている年代の方々にとっては重要な決断の一つだと思うので所見をまとめておく。

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人口減少は東京でも起こる

人口減少はすでに日本で始まっている現実であるが、地方の田舎などに住んでいない限りは実感することは難しいかもしれない。特に東京都心は依然として人口流入が続いており、(住人ではないが)観光客の数も爆発的に増えているので、人口が減っているなどという実感はないはずだ。それでもこの状況は長くは続かない。

下記は東京都が2015年に出したレポートからの抜粋だ。赤のグラフ、あるいは緑のグラフを見てほしい。これらは東京都全体と東京都区部の人口推計である。前回推計(点線)よりは上方修正されているので、完全に悲観的になる必要はないかもしれないが、2015年時点では2025年から2030年あたりで人口のピークが訪れると予想されている。2019年時点から考えるとおよそ5~10年後だ。

東京都区部という日本中から人口を吸い上げているところでさえもう人口減少が差し迫っているのだ。他の自治体は各地方の中核都市であったとしても、東京よりも良い状況でいられるとは到底考えられない。

人口減少で余った家はどうなる?

すでに言われていることの繰り返しだが、地方では空き家の割合が上昇している。この傾向が人口過密地帯の東京でも起こるだろう。大阪、名古屋などの中核都市でも同様だ。では、空き家が増えてくると何が起こるだろうか。

当たり前だが、空き家が増えると賃貸や家自体の値段が下がるだろう。それが都心の一等地にも影響を与えるとみる。だが、投資を考えるうえで一番重要なのは、不動産の二極化だと思われる。

すでに政府は動き出しているが、人口減少に対する一時的な措置(あるいは恒久的な措置?)として外国人労働者の受け入れが加速する気配だ。おそらく、令和の時代は今まで以上に海外(特に東南アジア圏)から労働者が大量になだれ込んでくるだろう。彼らの流入自体は不動産にとってはもちろんプラスだ。

ただ、彼らは出稼ぎ労働者。できるだけ支出は抑えて、かつ給与の高い都心で働きたいと考えるだろう。言語の壁もあるので、現状と同じように単純労働に近い低賃金の労働が彼らの主戦場であり続けるだろう。そうなると、出費の中でも大きな割合を占める不動産(家賃)はできるだけ抑えたいという結論になる。

おそらく、都心から少し離れた地区は彼らが大挙して押し寄せることになり、彼らがコミュニティーを形成する地区になっていくだろう。外国人労働者が流入してくるのであれば不動産の価格は下がらないのではないか?そんなことはない。外国人労働者が入ってきても賄いきれないほどの家が至る所であふれているのだ。二束三文にはならないだけで、価値が落ちるのは間違いないだろう。

居住地域の二極化

流入する外国人労働者は今述べたように、都心から少し離れた地区に落ち着くだろう。ではすでに住んでいる日本人はどうだろうか。

すでに住んでいる日本人は、蓄えてきた資産もあるし、日本で教育を受けてきたというアドバンテージもある。その結果、相対的に外国人労働者よりは高めの賃金で将来も働けている可能性が高いと考える。その結果、彼らは相対的に安くなったより都心に近い便利な立地に住居を持つ(あるいは借りる)という流れになっていると思う。

つまり、日本人(中~上流)と外国人(+日本人の一部)という風に住居が二極化されていくものと考える。もちろん例外はあるだろうが、全体的な傾向としては歴史的に見てもこのような傾向が出る可能性は高い。

都心部は外国人居住地区にはならない

居住地域の二極化は一朝一夕に進むものではない。すでに現在でもやや傾向がみられていて、それが徐々に進んで分かれていくはずだ。すでに外国人が多く住んでおり家賃が安い地区にはさらに外国人が流入しコミュニティーが形成されていく。コミュニティーが形成されると、さらにそのコミュニティーに属する人が周りから呼び寄せられていく。このようにして、今すでに外国人コミュニティーの核が生まれ始めている地域に、今後も同系統の人々が集まっていく傾向が続くだろう。

そのため、現在その傾向がない都心部に外国人が集まるということはないと考えられる(一部の繁華街や港区などは事情が異なるが)。

彼らとの交流が全く無駄なものとは思わない。が、子供を持つ人にとっては教育環境の悪化を懸念するだろう。様々な人々がいるという視点・価値観を子供に持たせられる可能性は良い点であるが、別にそのコミュニティーでずっと過ごす必要はない。

その不動産は将来手放せるか?

不動産を永久に保有する気がないのであれば、不動産を購入する際に一番考えなければならないことはその不動産の流動性。すなわち、手放したいと思ったときに、悪くない値段で手放せるかどうかということだ。それには買い手が必要だ。

外国人が大量に住んでいる地域に新たに不動産を持ちたいという日本人はいるだろうか?投資目的ならありかもしれないが、現状でも「外国人お断り」の不動産が多数あることから想像できるように、異文化の人々とのコミュニケーションにはトラブルがつきものだ。それが嫌で投資対象から外す人も多いだろう。子供を育てる住みかとしての投資はナンセンスだろう。外国人労働者なら可能性があるかもしれないが、彼らは出稼ぎだろう。子供のを生活費のかかる日本に連れてきているとは思えない。彼らが終の棲家を日本に持つ意味はそれほど大きくはない。日本人にとっても、コミュニティーが相対的に弱い地区に居を構える必要性を感じないだろう。

こう考えると、だれが買い手になるのかイメージができないことがお分かりいただけるだろう。言い換えると、将来その地区の不動産の価値は目減りしていると考えられるのだ。

日本人はコミュニティーがある地域に不動産を買え

ここまで読むと、筆者の結論も見えていると思う。投資用、居住用に関わらず日本人が不動産を買うのであれば、すでに日本人のコミュニティーが優位であることがわかっている地域にするべきだ。加えて、人口減少によって消滅する地域であってはいけない。日本人コミュニティーが優勢であっても限界集落に家を買ってはいけないといえばお分かりいただけるであろう。

つまり、人口減少の程度が弱く、日本人コミュニティーが優位であり続ける地域。おそらくはと陳の一等地が唯一の選択肢になるということだ。地方都市でも同じだ。昭和、平成の時代にベッドタウンと呼ばれていたところには徐々に外国人が増えていくだろう。その傾向を見逃さないようにして、不動産の購入を検討してほしい。

ただ、上記は不動産を買うとすればの話。メインシナリオはデフレなので、住宅ローン減税などのメリットを考えなければ買わないに越したことはないというのが筆者の基本観だ。